2010年02月07日

【人・街・声】新宿の訪問歯科医 人のつながりが蘇らせた笑顔(産経新聞)

 寝たきり老人など在宅で介護を受ける人の自宅に出向いて、入れ歯の調整、口腔(こうくう)ケアなどの訪問診療を続けている歯科医がいる。「ふれあい歯科ごとう」(新宿区北新宿)代表の五島朋幸さん(44)。依頼は絶えず、週7日、多い日は8人のお宅を訪ねる。食べることは健康の源。その能力を失いかけた人たちをサポートするため、休診日のない毎日が続いている。(石塚健司)

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 武蔵野市の住宅街。ある夕方、ショルダーバッグとデイパックをたすきがけにした五島さんが1軒の民家を訪れた。冬でも日焼けした顔は、自転車で移動することが多いためだ。

 今回の患者は認知症などを患う吉田里子さん(81)=仮名。5年前に夫を亡くし、島根県で一人暮らしをしていたが、翌年、極度の塩分不足による電解質異常の状態で病院に運ばれ、武蔵野市に住む長女(57)宅に引き取られた。

 当初は鬱病(うつびょう)の症状もみられ、一日の大半をベッドで過ごした。入れ歯を受け付けなくなった口は咀嚼(そしゃく)する力をなくしており、長女は流動食で体力を回復させるため苦戦を続けていた。

 担当ケアマネジャーの強い求めで、普段は新宿区周辺を訪問エリアにしている五島さんが訪問を引き受けた。汚れた口腔の手当て。残された歯の処置。新しい入れ歯作り。咀嚼の訓練…。訪問を重ね、里子さんは徐々に食べる喜びを取り戻した。今は五島さんが数カ月おきに訪ね、入れ歯の調整などをするだけになっている。

 知らない人には心を閉ざす里子さんが、五島さんの顔を見ると記憶の糸がつながったように、本来の社交的な人柄に戻る。

 「ちょっとお肉が付き過ぎたんじゃないの?」と五島さんにからかわれ、照れ笑い。

 「どこか痛む場所はありますか?」。五島さんは里子さんの答えを聞いて、バッグから携帯マイクロモーター(入れ歯を削る器具)を取り出した。バッグにはほかに、入れ歯のクッション剤、懐中電灯など、訪問先に応じた道具が入っている。

 入れ歯を削り、約15分で診療は終了。

 「先生、おかげで(ご飯が)おいしいよ」。里子さんの言葉で五島さんも笑顔になった。

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 五島さんは島根県出身。父も内科の開業医で、正月も往診に出かける背中を見て育ったという。独居高齢者の多い新宿を中心に、抱えた患者は現在、約350人。週のうち5日は午前中を外来診療、午後を訪問診療に、残り2日も訪問診療にあてている。

 きっかけは13年前、新宿で在宅介護老人の訪問診療を続ける医師と出会ったことだった。「往診する医者はいるが、歯医者はいない。ぜひやってほしい」と請われ、まず内科の訪問診療に同行してみた。

 そして、寝たきり老人の大半が、入れ歯を付けていない現実を知った。「入院すると、入れ歯は危ないからと外される。でも、3カ月も外したままでいると、もう入れ歯が入らない口になってしまう。退院後は流動食や管からの栄養補給だけになる」

 当時、大学病院の勤務歯科医だった五島さんは、妻で歯科医の登世子さん(41)と2人で開院し、夫婦で手分けして訪問診療を始めた。

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 古い入れ歯を調整したり新調したりして、再び咀嚼できるようにすること−。当初はそれが自分の役目だと思っていた。だが、しばらく口から食べることをしなかった人が再び咀嚼し、飲みくだす力を取り戻すのは、簡単ではないことに気づいた。

 「そこで、入れ歯を作る前に、その人の飲み込む能力がどれだけあるかを調べ、その力を強めるための訓練をする。顔のマッサージ、唾液(だえき)を飲みくだす練習など。そこから先は十人十色。本人の意欲や健康状態、家族の努力などによって、僕のできることはさまざまです」

 管からの栄養補給が長かった人が、五島さんの指導で再び軽いものなら食べられるようになった例も多いという。五島さんと親しいケアマネジャーは「自力で食べることに意欲がでると、見違えるほど元気になる人を何人も見た」という。

 「訪問歯科という分野に教科書はありません。それぞれの現場で、人と人とのかかわりの中で作り上げていくのが、在宅ケアにおける歯科の役割だと思います」と五島さん。

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 【取材後記】日焼けした歯医者といえば、ゴルフ焼けが通り相場と思っていたが、この人の場合は訪問焼け。大歓楽街・新宿の片隅に、こんな人がいたとはと、驚くよりも感動した。これからの時代、こんな歯医者さんがもっと増えたらと願わずにいられないが、言うはやすく、行うは難い。五島夫妻はほかに新宿で訪問診療をする歯科医に会ったことはないという。

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posted by 富樫和夫 at 14:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

要介護認定、特記事項への記載徹底で事務連絡―厚労省(医療介護CBニュース)

 厚生労働省は2月2日、要介護認定調査と介護認定審査会における留意事項について、都道府県の介護保険主管課などに事務連絡を行った。認定調査員には、特に軽度者への認定調査において「介助されていない」などの選択肢を選ぶ場合に、実際に介護の手間が発生していれば二次判定で考慮できるよう、特記事項に手間の内容と頻度を記載するよう求めている。

 事務連絡は、1月15日に厚労省が開催した「第4回要介護認定の見直しに係る検証・検討会」での検討結果を受けたもの。検証・検討会では、認定調査員の研修において特記事項の記載方法の説明が徹底していない状況が示された一方で、研修を充実させている自治体では、「非該当」や「要支援1」の分布状況が過去3年間とほぼ同じで、「軽度化傾向」が抑制されているとの調査結果が報告された。

 事務連絡では、認定調査員への留意事項として、「介助されていない」や「(有無を尋ねる項目で)ない」を選択する場合でも、実際に介護の手間が発生していれば、手間と頻度を特記事項に記載するよう求めている。
 例えば、室内を自力で移動できる高齢者について、「移動」の項目で「介助されていない」を選んだ場合も、外出時には家族の介助を必要としているなら、特記事項に「週2回の通院外出時の移動における家族の手引き歩行、車送迎」などと記載することとしている。
 また、家族が高齢者の背中に軟こうを塗るといった介助をしている場合など、テキストに当てはまる項目がなくても、特記事項に「1日3回の家族による軟こう塗布」などと介護の手間や頻度を記載するよう指示している。
 このほか、「認知症高齢者の日常生活自立度」が2以上のケースでは、認知症行動・心理症状(BPSD)に関連する項目などで介護の手間が発生している可能性が高いことから、特記事項には「感情が不安定で家族が毎日なだめており、手間が掛かっている」などと記載するよう求めている。

 認定審査会に対しても、特記事項などを参考にしながら、必要な場合には一次判定結果の変更を行うこととしている。特に、一次判定で軽度と判定され、「認知症高齢者の日常生活自立度」が2以上の場合、BPSD関連項目の特記事項に着目し、一次判定の変更の必要性を検討するよう求めている。


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posted by 富樫和夫 at 04:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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